身初の日本武道館公演を開催した上白石萌音
女優で歌手の上白石萌音が25日、歌手デビュー7年目で自身初となる東京・日本武道館公演『MONE KAMISHIRAISHI 2023 at BUDOKAN』を開催し、癒やしの歌声で全27曲を歌い上げた。上白石の初武道館を祝福するため、「ミュージカルの専属相手役」と称する井上芳雄が福岡・博多座で行われたミュージカル『エリザベート』昼公演後に駆けつけたほか、2日後に迎える25歳の誕生日を会場中のファンが祝福した。 【ライブ写真4点】自身初の日本武道館ライブで熱唱する上白石萌音 冒頭、上白石が緊張の面持ちで初武道館のステージに向かう映像からスタート。ステージに立つと、割れんばかりの拍手が沸き起こり、深々と一礼した。まばゆいばかりの照明が会場中を照らすなか、自身がヒロインの声優としても出演した映画『君の名は。』主題歌「なんでもないや」(RADWIMPS)をアカペラでカバー。ストリングスカルテットをまじえたバンドの演奏が加わり、盛大に幕を開けた。 この日は、全国で10年に一度と言われる寒波に見舞われた。上白石は「みなさん、よう来たねぇ。本当によくいらっしゃいました。大変だったでしょう? 寒かったでしょう? 不安だったでしょう?」と観客に声をかけ、「武道館で初めてライブをやらせていただけることになりまして、いっぱいいっぱい準備をしてきたんですが、とにかく今日会えて、歌えることが幸せ」と、交通機関が乱れるなかで集まった観客に感謝しきり。会場はコートいらずの室温だったが、ノースリーブのワンピース衣装の上白石は「寒い!」と身震いし、「手を叩いてみんなで温まりませんか? みなさん、お手を拝借」と呼びかけ、手拍子に包まれながら「きみに」を披露した。 初武道館のコンセプトは、「デビューミニアルバムから“おおよそ”順番どおり」。時系列に沿って、キャリアをたどるライブになると説明。2016年10月の歌手デビュー作となったカバーミニアルバム『Chouchou』収録曲から最新アルバム『name』(2022年)まで、たっぷりと披露していった。 中盤には「あの歌メドレー」と題し、「世界中の誰よりきっと」「木綿のハンカチーフ」「ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ」「オリビアを聴きながら」「みずいろの雨」「君は薔薇より美しい」「勝手にしやがれ」の70~80年代のヒット曲7曲を15分にわたって歌唱し、この日来場した中心層の40~50代のファンを楽しませた。 黒と白を基調とした衣装にチェンジすると、「舞台にあこがれてこの世界に入ってきたので、舞台の上で役として歌を歌うことが私の人生の中ですごく大切です」と切り出し、自身のキャリアと切り離せないというミュージカルの楽曲も披露。「13歳でお芝居を始めて、たくさんの作品やたくさんのお役や歌に巡りあって来たんですが、その中で一人、どうしても語らずにはいられない方がいらっしゃいます」と、井上芳雄を紹介した。 現在、博多座で行われているミュージカル『エリザベート』に出演している井上からビデオメッセージを寄せられたとして映像が流れ始めたが、実は武道館の舞台裏からの生中継というサプライズ。「さっき着きました」と福岡から駆けつけた井上は、上白石に花束を贈って初武道館公演を祝福した。 軽妙なトークで楽しませると、昨夏共演したミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ ~足ながおじさんより~』から「幸せの秘密」、出会いのきっかけとなった2018年のミュージカル『ナイツ・テイル-騎士物語-』から「牢番の娘の嘆き」の2曲を、リハーサルなしのぶっつけ本番でデュエット。観客を大いに沸かせた。 アンコール明けには、バンドメンバーが上白石をバースデーソングで迎えるサプライズも。ファンが声を出せないことから、自ら「ハッピーバースデー、ディア萌音ちゃん~♪」と歌った上白石は「やだあ~」と大照れ。LEDモニターにいっぱいに映し出されたケーキのイラストは、ファンから3000通以上寄せられたメッセージの一部であることを知らされると、「幸せ者です」と喜びをかみしめた。 「何をしてお返ししたらいいだろう…そうだ、歌おう!」と言って、歌手デビュー前の楽曲、2014年の主演映画の同名曲「舞妓はレディ」を約10年ぶりに披露。しっとりと「おおきに」と言って締めくくると、「みなさんがよりよい明日に、幸せな明日に向かって行けますように、最後に心を込めて歌わせていただきます」とあいさつ。白と黄色のペンライトが左右に揺れるなか、センターステージで「夕陽に溶け出して」を伸びやかに歌い、観客の胸を打った。
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